山村:
このままいくと利権問題がたくさん出てくる。
で、実際に9月7日に海の森競技場っていうオリンピックの会場の予定地では、大成建設が99パーセントの落札率で落とした。
つまり予定価格と入札価格がほとんど同じ、30万円くらいしか違わなかったという話で、これ偶然ですかね、すごい勝負強い人がいるんですね。
柏餅:
きな臭くなってきましたねー。
ほんとは近寄りたくないっていう、ジャーナリストでも命がないっていう。
山村:
命をいくつ落としてもしょうがないっていう世界になってきましたけども。
これやると、普通取材する人はこれダメだといってぱたんと閉じるんですよね。
ところが(小池さんが)パンドラの箱を開けちゃってますから、もう(メディアも)開けなきゃしょうがないっていう感じになってくるとわたしは思うんですね。
これから出てくるのはまず不動産会社ですね、森ビルとかいろいろありますけど。
こういったところに手を付けなきゃいけない、東急不動産どうするとかですね。
これは神宮の森を中心とした8キロの利権と、豊洲をめぐる8キロの利権両方ありますんで、これえらいことになりますね。
柏餅:
これ何がポイントかといいますと、単なる談合じゃないんです。
談合先の建設会社や不動産会社にもしかすると、都庁の幹部職員が天下っている、(というか)多分ほとんど天下っていると思います。
実は気付かないうちにそういう部分が絡んでいるわけですね。
よく国家公務員の皆さんの天下りはニュースに取り上げられるじゃないですか。
都庁の幹部職員がどこに天下ったかってあんまりニュースにならないですよね。
皆さん気付いてないんですけど、あそこ国家公務員よりひどいと思いますよ。
知ってる限り森ビルに3人元局長がいるらしいんで。
山村:
なんであんなタワーみたいな建物立てられるんだ、建蔽率どうなんてるんだっていう。
柏餅:
今、虎ノ門の近くで再開発やってて、今年の一月に認可されまして、虎ノ門再開発っていって虎ノ門ヒルズをもう一戸北側に(作る)。
あれを認可もらって地上げして、もともと森ビルが半分くらい持ってますけど、そこの都市計画認めるのにどういう政治的手腕を使ったんだって、みなさんならピンときますよね?
山村:
JOCの仮事務所があったところですね、虎ノ門のビルは。
日本オリンピック委員会なんかも絡んできますし、あとはパラリンピック関係、介護福祉関係の利権とかですね、そういったものを全部出していくという話になったら一体どうなるんだろうっていうね。
これはちょっと私はこれ以上恐ろしくて話せないんでですね、ぜひ小池さんに切った張ったをお願いしたいと。
柏餅:
ほんとうに命をかけて小池さんはやるのかなぁとおもいますけど。
もうひとつ今回築地問題でゼネコンのパンドラの箱をあけてしまったという部分が、(築地を)移転したときに環状二号線を、もう橋まで出来てますけども、最後新橋まで繋げるところの工事があります、道路工事とトンネル工事が。
で、まずそこの工事利権があるんですが、みなさんまだ焦点あたってないんでしょうけども、築地の跡地をどうするか。
あそこメディアセンターにするんですけど、2020年までですね。
ただ終わった後には跡地をどうにかするんですね。
今のところ都は払い下げるつもりでいるらしいんです。
それは豊洲で6000億かかったものの穴埋めらしいんです。
で、東京都は今のところ計上しているのは3500億円、築地の土地を売って補てんしようというふうに思っているわけなんですけど、民間のデベロッパーはあそこはだいたい2000億円くらいだろうと。
東京ドーム5個分くらいの広さがあるらしいです。
都心のあの一等地を払い下げっていうと、まあね、利権の匂いがプンプンですよね。
跡地利用について、どこがどう落札して、まさか森ビルじゃないでしょうね、みたいなところなんですけど。
なんかもうすでに東京都は森ビルに跡地利用のアイデア出しをお願いするとか言って、なんで勝手にそんなことやってんだっていう。
山村:
小池さんの身の上にダモクレスの剣とか諸刃の剣とかがいっぱいバババっと落ちてきそうな感じがしてですね、私は恐ろしくなってしまうんですけど。
東京都のことを知ってる人だったら、あの伏魔殿、東京都議会が伏魔殿じゃないくて、東京都全体が伏魔殿ですから。
都庁が伏魔殿ですんで、そこは全国の皆さん誤解がないように。
柏餅:
私の大好きな内田先生の関係者の方が天下りされてるってよく記事にされてますけど、よっぽど都庁職員の天下り、誰ももどうして取り上げないんだだろっていったら、みんな怖くてそれができないっていう。
内田さんより怖いんだぞっていうね、僕も怖くて仕方ないですけど。
だいたい野党というか民主党はアベノミクス批判をしてて、「じゃあアベノミクスの対案を出せよ」とよく言われてるわけですけど。
ぶっちゃけて言ってしまえば民主党にそんな対案なんか出すのは無理です。
新代表の蓮舫さんじゃもっと無理。
アベノミクスってイコール「金融緩和」「財政出動」「成長戦略」の3本の矢なわけですが、これって実は「デフレ脱却を目標に、政治にできることは何でもする」ということでしかありません。
先日支那で行われたG20での声明では「我々は全ての政策手段‐金融、財政及び構造政策‐を個別にまた総合的に用いる。」などとされましたが、構造政策=構造改革=成長戦略なんで、言ってることはまんまアベノミクスと同じなんですね。
つまりアベノミクス(の考え方)自体は「政治にできることは何でもする」というだけの、悪く言えば当たり前のことを言っているに過ぎないんです、実は。
じゃあアベノミクスの何がすごいのっていうと、ちゃんと「何でもする」の宣言通りに実行したことなんですね。
そうすると、「バスに乗り遅れるな」とばかりに企業は人を雇い設備投資をし、個人は株を買ったり土地を買ったりして、景気が良くなり物価が上がっていく。
エネルギーを除いたコアコアの物価指数は安倍首相就任後3年連続でちゃんとプラス成長しています。(消費税がなければ安倍さん今頃左うちわだったのにな・・・)
さて、ではそんなアベノミクスの対案ってなんでしょうか?
それは3つの観点しかないと思います。
1.目的が間違っている (デフレ脱却なんてもってのほか。もっとデフレさせるべき)
2.目的は合っているが手段が間違っている (デフレ脱却のためには3本の矢以外の手段をとるべき)
3.手段も合っているが実行が手ぬるい (我々ならもっとアベノミクスを加速できる)
3は完全にアベノミクスを認めてしまっているので対案にはなりません。安倍政権を応援する保守派が批判するときの立場ですね。
1のデフレ肯定は常識で言ったらありえない考えでこれも対案になりません。
ただ上念司さんの話聞いてると財務省やそのお抱え経済学者はわりとマジでデフレのほうがよかったと思ってるっぽいし、昔読んだ民主党政権を肯定する本に「民主党政権では円高デフレで輸入品が安く買えて国民は豊かな生活ができていた」と書いてあったんで、常識の通用しない民主党のことですからデフレ肯定してくる可能性がないわけでも・・・
2の立場は王道ですが、この批判をするにはまず経済に相当精通してないと。この時点でもう民主には無理。
3本の矢ってひとつひとつはポピュラーな政策なんで、これを否定するのは相当のムリゲー。財務省の手あかのついたテレビ人やらに批判されてた1本目の金融緩和も、3年やって高い実績を上げてしまいましたから、これ否定できますか?
空前の内定率は金融緩和の効果ですよ。
矢の中身について批判しようにも、頭のいい人が相当考え抜かないと無理ですよね。
財政政策や成長戦略で自民の案を上回れるでしょうか?
そういうわけでアベノミクスの対案を考えるのは相当難しい、民主党にはほぼ不可能というわけです。
居島:
せめて経済政策ひとつとってもアベノミクスに対向できるような具体的な対案のひとつくらいでてこないとどうしようもないでしょう?
上念:
代案は財務省ですからね。
前提がまず間違ってるんですよ。
実はは今度出る月刊花田に「蓮舫の経済政策」っていうタイトルの記事をね、ズバリ書いたんですけど。
簡単にいうと白川(日銀総裁)時代の日本ダメ論が基本なんですね。
日本はこれ以上成長できないから、再分配を考えなきゃいけない。
財源は?っていうと行政改革でっていうんですよ。
でも行政改革で事業仕分けしても財源なんか一円も出てこなかったじゃないですか。
じゃあどうするのかというと、増税してもそれはしょうがないんじゃないですか、という感じなんです。
結局増税です。
居島:
増税のための言い訳を一生懸命さがしてるような。
上念:
再分配といいつつ、財政再建路線で緊縮路線なんですよ。
でも間違っちゃいけないのは、日本の財政問題終わりましたからね。
くりかえし申しますが日本の財政再建は現時点で終わっております。
終わってるからこそマイナス金利なんですよね。
ジンバブエの中央銀行総裁が今日からマイナス金利だといっても馬鹿も休み休み言えという感じででだれも相手にしないです。
ギリシャの中央銀行総裁が明日から国債マイナス1パーセントとですと言っても買うやついないんです。
買うやついないんで割引して売られて結局金利はプラスになっちゃうんです。
日本は今日からマイナス金利っていえば「ははーっ」ていってマイナス金利で買うんですよ。
それは日本の財政問題が解決してるとみんなプロが知ってるからなんです。
端的に言うと、だいたい 1200兆円くらいの借金に対して政府資産が650兆円、日銀がもってる国債が350兆円で1000兆円くらいはバランスシート上で相殺されるんですね、資産と負債が。
純負債は200兆円弱なんですよ。そうするとGDP比でいうと40パーセントですよね。
それっていうのは先進国の中でもけっこういいほうなんですよね。
そんなの破産するわけないじゃないですか。
しかも債権者は日本人でしょ?さらにマイナス金利で取引されてるから金利払わなくていいんですよ。
国債発行したぶんだけ金利もらえるんですよ。
今15年債までマイナス金利なんですよ。政府の発行してる8割5分くらいがマイナス金利なんです。
15年以内に全部借り換えますよね?そうするとこの巨額残高から金利をもらえるんです。
だからどんどん発行しちゃえばいいんじゃないかと思うんですけども。
プロは解決してるとみてるんです。
国債にかける保険もね、日本はすごく安いんです。
安全だと思われてるから今こんな値段で取引されてるわけです。
それでマイナスの枠の中ででちょっと金利の幅が縮まると「金利が上がったー」って騒ぐんですけど、水準的にはマイナスですから、バカですかって話で、日経新聞聞いてるかこのやろー!