鍵カッコ「生前退位」についてお話したいと思います。
この問題こそが憲法問題の本質です。
結論から申しますと、保守陣営というのは戦後70年以上日本国憲法のくびきの中でどんなに頑張ってもがいて苦しんでも、ここを脱却できないという状態でしたけども。
初めて圧倒的多数の力で圧勝できる戦いが近づいています。これを勝たなかったら何を勝つんだっていう戦いであると。
この認識を持つことによって初めて憲法改正が出来、そして戦後レジーム脱却、戦後レジームと何か、日本を敗戦国のままにさせる体制です。
この問題に関してどうやったら勝てるか、偽物を見抜く方法は簡単なんですね。
(世界)第二位の歴史を持っているのはデンマーク、1100年。
この1100年という数字は、古事記の神の世編、いざなぎいざなみくらいが全部史実だと数えての1100年ですからね。
その数え方ならこっちは2674年ですからね。
ちなみに第三位、イギリス900年。これぜんぜん続いていませんからね。
しかも一回途切れてますからね。
クロムウェルという人がいて、王様の首をちょんぎったんで一度途切れてる。
それ以外でもオランダ人の王様がやってきたりとか、ドイツ人の王様がやってきたりとか、ぜんぜん続いてないんですよ。
だから、一度も途切れることなく続いてきた歴史をもつ国としては、日本は世界で圧倒的に最長なんです。
これに誇りをもてるかどうか。
建国記念日を日付まで特定できるという国あるんですよ。
例えば1776年7月4日、と特定できるアメリカ合衆国。1789年7月14日と特定できるフランス共和国。
そんな国が素晴らしいんですか?っていう感性の問題。
今でも1945年8月15日が今の日本の建国記念日だっていう人いますよ。
でもそんな人って日本国の誤差の範囲の少数派なんです。6%の側なんですよ。
テレビとか新聞見てたら、そんな人の声が大きいんですよね、でもその人たちは少数派!
じゃあ我が国の建国記念日、神武紀元というのはありますけども、皇紀元年2月11日ですよ。
本当の西暦に直していつになるか、伝説の話ですよ。
皇室はずっと続いてきてるわけですよね。
だからこと皇室の問題を語るときの鍵は、先例があるかどうかなんです。
最澄さんが油をさした不滅の法灯というのがあります。
最澄さんが不滅の法灯という火を灯して、それいまだに火が輝いているんですね。
毎朝、必ず油を挿すだけなんです。その油を挿すという行為には何の意味もないんです。
でも、1200年間最澄さんが火を灯して以来一度も途切れることなく続いてきたんです。
じゃあ「蝋燭の火だと危ないから電球に取り替えよう」、そこに価値を見出すんですか?って。
革命をしようとか、皇室古いからやめようよとかいうのは不滅の法灯を電球に取り替えるようなものなんですよ。
だからここに価値をもって、このずっと続いてきた先人たちの知恵に学びましょう。
玉音放送ですからね、史上3度目です。
一度目は昭和20年8月15日の玉音放送、これは説明するまでもない。
二度目は東日本大震災の際、平成23年3月16日の玉音放送。
時の民主党、菅直人政権に、見るに見かねたかどうかはわからないですけども、ビデオで天皇陛下が直接国民を励まされるという、異例の形態で語りかけられるとということがありました。
陛下の肉声だから玉音なんです。
そして今回は3度目です、異例なんですよ。
あそこで陛下は何とおっしゃっているかというと、まず「個人の意見ですけれども」と断っておっしゃっている。
ここで象徴天皇なんだから自分の意見人前で言うなよとか言われたら困りますよ?
じゃあ東日本大震災のとき文句言ってくれって話なんで。
別に天皇陛下は直接あのような形式で国民に直接に語りかけられることは憲法違反でも法律違反でもなんでもありません。
譲位は絶対に自動詞、退位は他動詞たりうる、だから譲位のほうがふさわしいんですが、では今の日本国憲法体制の中で、譲位なんてことができる体制にあるんですか?ってことなんです。
日本国憲法とその下にいつのまにか置かれてしまった皇室典範によれば、譲位も退位もどっちもできないですよ。
だから私は、陛下のお言葉の通りに制度を直すとするならば、譲位の制度がいいと思いますよ?
でも、「退位すらさせてやるか」という勢力がいるんですよ、日本国の6%くらいの少数派の中に。
じゃあどういう人たちがそういうこと言っているかというと、本当にこの(会場の)保守の日本と皇室を大切に思う人たちの前で、本当に不吉で不愉快な話をしますけども、今日本国憲法体制のなかで権力を握っている人たちは、天皇のことをロボットだと思ってます。
内閣法制局という日本国憲法の解釈を全て握っている人たちがいますけれども、その人たちはつい最近の日本テレビの報道では、退位がしたかったら俺様達の許可を取れっていってる。
もうちょっとましな表現で言いましたよ?生前退位がしたかったら、憲法改正してからにしろ、一回限りの法律で許すけどね。
何様のつもりだと。それを言った瞬間安倍首相や菅官房長官はそれ言った法制局の長官をはったおさなかったという時点で、昔だったら逆賊呼ばわりされかねないくらいの不敬、失礼です。
象徴天皇制下、日本国憲法体制下をであっても、天皇は国政に影響力を行使してもいいんです。
別に影響力というのは権限がなくても行使できますから。その時点で日本国憲法の詐術に引っかかってるんですよ。
「国王が、ロボットであることを国民はだれも望まない。」
政治に関する権限は、例えば司法権は裁判所、立法権は議会、行政権は内閣、に移っていって、臣下の者に責任を負わせる形で、国王が口出しをして権限を振るうということはないんだけれども、でも言論の自由は国王にある。
内奏(相?)という大臣との密室でのやりとりで、国王が「警告する権利」、「激励する権利」、「相談を受ける権利」、この3つの権利はいかなることがあっても国王に残されている、っていうのがある。
権限で言うとこの3つの権利だけなんですよ。
権限っていうのはイギリス憲法用語で言うとパワーオブコマンド、これが日本国憲法になると権能っていう日本国憲法4条の用語になるんですけどね。
だから(国王の)パワーオブコマンドはこの3つだけだ、権限、権能はこの3つだけだと。
ただし、その3つの権利を行使して、政治的に影響力、この影響力っていうのはパワーオブインフルエンス、政治力と訳してもいい。
パワーオブインフルエンスを行使することになっても構わないと。
何故かというと、責任は臣下が負うからなんですよ。
大臣こうしたほうがいいんじゃない?っていうふうに国王が言ったとして、それを聞くかはどうかは大臣の責任なんです。大臣は王様なんか変なこと言ってるって聞かないこともできるんで。
だから今回の8月8日の玉音放送は警告する権利と相談を受ける権利の行使なんです。
それをたまたまビデオで国民に語りかけるという異例の形でやったというだけで、これは別に憲法違反でもなんでもない。
これを指して天皇のクーデターだとか訳の分からないことをおっしゃる方いるんですけど、だったら東日本大震災の鍵カッコ「ビデオメッセージ」も、クーデーターですか?憲法違反ですか?って話になるんで。
世界の立憲君主国の常識からすれば何の問題もないことなわけなんです。
ということなので、8月8日の玉音放送のおっしゃっていることを考えれば、どうやれば陛下が譲位をできるような形にできるかなということが大事なんですけれども。
じゃあ譲位どころか退位もさせないと言っている人たちがいるわけなんですね。
その1、内閣法制局、先ほども出しました今の日本国憲法を頂点とした日本国の法律命令法令の全ての解釈を握る人。
集団的自衛権の解釈変更の問題でもやりたい放題やってくれた人たちです。
内閣法制局公式見解、天皇って日本の何ですか?「ヘッド」
これほんとですよ、嘘だと思うなら昭和48年6月28日の内閣法制局長官答弁見てください。
義邦一郎という長官が、天皇は日本の元首ですよねと聞かれて、はいヘッドといって差し支えないと思いますって。
まあヘッドオブステートの略だから、ヘッドっていうのはいいんですよ?そんなヘッドって軽い意味じゃないですよ?ただ問題は文脈なんですよ。
いつから日本の皇室は暴走族になったんだって話なんで、失礼でしょうが。
ちなみにこれ飲み屋で言ったんじゃないですからね、国会で言ったんですよ。
国会議事録でこれが残る形で言ってるんですよ?で、天皇は日本のヘッドという内閣法制局公式見解、その後2回確認されてますからね。
「元首なんだからいいだろヘッドだもん」、そういう連中なんですよ、内閣法制局という集団的自衛権も憲法9条も皇室のことも全部自分たちが思うがままで決めていいと思ってる人たちは。
この動画では天皇の譲位は憲法改正が必要とされていますが、「天皇の国事行為は皇室典範で定める」を「皇室典範および関連法で定める」と条文解釈することでOKになるようです。
これも集団的自衛権の解釈変更と同じく安倍政権の努力によるものだと私は思いますが。
憲法は言葉どおり読んじゃダメ!?皇室典範に意味はない???(・・?|竹田恒泰チャンネル - YouTube
この動画から学ぶことは立憲君主の3つの権利、「警告する権利」、「激励する権利」、「相談を受ける権利」をまず我々の世論としてしっかり認めることべきだということでしょう。
私はさらに日本国憲法の条文解釈上でも認める、さらに最終的には憲法条文的にもはっきり認めるべきだと思います。
余談:
青山繁晴さんが今回のことが天皇の政治的行為になってしまうことを極度に恐れていましたが、この動画的に言えば単なる「警告する権利と相談を受ける権利の行使」であり「世界の立憲君主国の常識からすれば何の問題もないこと」であるし、また我々はあえて「問題ない」という態度をとるべきだと思います。
「天皇は政治に影響力を行使してはいけない」というのはまさに戦後レジーム側の考えであり、「日本国憲法の詐術に引っかかっている」と言えるでしょう。
あと動画の中で「譲位も退位もさせないという人々」が悪者とされてますが、皇室典範で退位が禁じられているのは明治になったときの「天皇の譲位が政治利用されないように」という判断によるものなので、保守の善良な人々のなかにも譲位・退位に反対する人もいます。
なのでこれについては注意深く分離して考える必要があります。